MDI(Major Depression Inventory)

用途

抑うつ症状の評価
 

診療報酬点数

該当せず
 

評価者

患者による自己記入式
 

評価項目

抑うつ症状に関連する気分
 

概要

MDIとは

MDIは、Bechらにより作成された、抑うつ症状の重症度を評価するための評価尺度である1。DSM-Ⅳにおける大うつ病の症状およびICD-10における中等症・重症うつ病の症状に基づいて開発されており、全10項目の合計点数による重症度についての評価に加えて、うつ病に対するDSM-ⅣとICD-10のアルゴリズムに従った診断に関する評価も可能となっている。うつ病の評価において感度と特異度が妥当であることが示され、さらに内的および外的妥当性も認められている1,2
MDIには、オリジナル版のほか、睡眠に関する項目が2つの小項目に分けられた改訂版も存在しており、改訂版では症状に過食と過眠が含まれる非定型うつ病とそれらが含まれない定型うつ病を区別することができる3
なお、MDIの改訂版は日本語に翻訳され、オリジナル版の作成者であるBechにより承認されている。
 

■評価方法

過去2週間における以下の項目について、「いつも:5点」、「ほとんどいつも:4点」、「半分より少し多くの期間を:3点」、「半分より少し少ない期間を:2点」、「ほんのたまに:1点」、「まったくない:0点」の6つの回答より選択する。10項目の合計得点(0~50点)で評価し、26点以上であればうつ病を有すると考えられる。
項目1~10のうち、項目8と10のそれぞれにaとbの2つの小項目が設定されているため、質問項目は合計で12項目となる。ただし、項目8と10ではaとbのうちスコアの高い方が得点として採用されるため、評価される項目は最終的に10項目となる。なお、日本語翻訳版を含む改訂版では、項目8と10に加えて項目9についてもaとbの小項目が設定されており、質問項目は合計13項目となる。
(一部抜粋)

  1. 気持ちが沈み込んだり、悲しくなったりすることがありましたか.
  2. 日常生活に興味をもてないと感じることがありましたか.  

*この評価項目は日本語翻訳版での表記を掲載している。

■評価時間

約5~10分
 

出版元

  • オリジナル版・日本語翻訳版

Psychiatric Research Unit CCMH Mental Health Centre North Zealand, 
University of Copenhagen, Hillerod, Denmark
URL: https://www.psykiatri-regionh.dk/CCMH-english/Rating-scales-and-questionnaires/Pages/default.aspx(2025年5月20日閲覧)
E-mail: noh-forsk.region-hovedstadens-psykiatri@regionh.dk
*本尺度作成者のBechは逝去されているため、上記連絡先からのサポートは限定的である可能性がある。


 

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参考文献

  1. Bech P, et al. J Affect Disord. 2001;66:159-164.
  2. Olsen LR, et al. Psychol Med. 2003;33:351-356.
  3. https://www.psykiatri-regionh.dk/CCMH-english/Rating-scales-and-questionnaires/Pages/default.aspx(2025年5月20日閲覧)